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学部教育について(アドミッションポリシー)

教育理念

 全ての物質が原子、分子、イオン、高分子といった化学的要素からなり、さらに、それら物質群がアボガドロ数を単位とする集合系として振る舞うことにより、様々な物質系を与え、各種の現象をもたらしています。生命現象はその究極のモデルであり、依然その高度な構造体や現象に対する理解を探求すべき段階にあります。理学における化学はこれら自然現象、地球環境、宇宙などに潜む普遍的真理について探求し、実験と理論の両側面からその原理を解明することのできる学問です。化学科では、21世紀の社会に積極的かつ能動的に貢献することのできる目的意識と高度な専門知識と技能を備えた次世代リーダーの育成を目指し、研究と教育に取り組んでいます。

教育プログラム

教育課程の内容・特色

 1年生は、基幹教育科目を中心に履修することにより、化学を深く学ぶために必要となる数学、物理、外国語などの基礎学力を養うとともに、俯瞰力をもつために必要な一般教養を身につけ、広い視野を持てるよう導きます。また、専攻教育科目として1年次から無機化学や有機化学の講義が始まります。

 2年生からは、化学を中心とした専攻教育科目の履修が本格的に始まります。具体的には、3年生後期までの2年間に、午前中は無機化学、有機化学、物理化学、量子化学、分析化学、生物化学など講義を履修し、午後は学生実験を中心に履修します。これらの講義や実験では、無機化合物、有機化合物、高分子化合物、生体物質など、広範囲の物質群を取り扱い、それらの構造と性質、ならびに反応生や合成法について学びます。化学的見地から物質の成り立ちや性質について究明するだけでなく、社会が求める環境やエネルギー問題に対応できる基礎知識の習得をめざします。これらの専攻教育と並行して、外国語や自分が勉強したいいくつかの基幹教育科目を履修し、教養をさらに高めることができます。

 3年生後期終了時に所定の化学実験(すべて必修)と専攻教育科目(すべて選択)の単位を修得することができれば、4年次に化学科あるいは化学科と協力関係にある研究室のいずれかに所属し、卒業研究を行います。本化学科には多様な研究室が配置されており、自身の興味のある研究分野に所属し、マンツーマンの研究指導を受けることができます。研究室配属の目的は、国際的に高い評価を獲得する最先端の研究にふれ、その分野の専門知識を体得することにあります。また、学術論文の読解力、研究成果について討論したり、発表する能力を育むことも重視します。一方、自然科学一般の原理や現象に対する理解力・洞察力を養うことにも力点がおかれ、4年次を終了し卒業すると、研究能力の向上を目指し、大部分の学生が大学院に進学します。

教育指導体制

 基幹教育科目については、九州大学に所属する各専門の教員が担当します。化学科の専攻教育科目については、大学院理学研究院化学部門に所属する教員が担当します。講義科目は教授・准教授・講師が担当します。実験については担当する研究室の全教員で対応し、助教と大学院生(ティーチングアシスタント)がほぼマンツーマンで教育にあたるとともに、准教授・教授が適時サポートします。学問の性質上、化学実験には危険が伴いますが、安全に実験を遂行しながら研究と挑戦に取り組める人材を育成することも教育目標の一つと言えます。

 研究室配属後は、教授・准教授・講師・助教がマンツーマンで研究指導に当たります。また、所属の大学院生が先輩として良き相談相手となり、研究室全体で研究活動を行っています。個々人の独創性を養うことも重視すべき点となります。

求める学生像(求める能力、適性等)

 化学科では、将来、化学研究者、高度な化学の専門知識をもつ技術者に成長することを志す、意欲的な学生を選抜します。また、高度な化学知識や思考を生かせる職業に携わり、日本の中核的、かつ指導的役割を担うことを目指す学生を選抜します。それゆえ、十分な基礎学力を持つとともに、化学の勉学に熱意をもち、創造性豊かな学生を選抜します。現代の化学は、物理学、生物学、地学、数学など他の多くの学問に支えられ、かつ互いに影響を与えています。化学を学び、深く理解するためには、これら関連する学問領域を広く理解することも重要となります。大学の授業の堅固な基礎となる高等学校での幅広い学習を望みます。

入学者選抜の基本方針(入学要件、選抜方式、選抜基準等)

 一般入試の前期日程の試験では、理科、数学といった自然科学科目、および、語学を中心に広い基礎知識を有する学生を選抜します。これに加え一般入試の後期日程の試験では、化学を中心に高い論理的思考能力をもつ学生を選抜します。総合型選抜入試では、自然に対する旺盛な探究心と自然科学の素養を備えた学生を重視し、さらに適性ならびに論理的思考能力などを評価する面接などを行い、優れた人材の育成に努めます。