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大学院教育について(アドミッションポリシー)

教育理念(教育理念・目標、育成する人材像等)

 本専攻は、地球と太陽系の起源・進化過程、現在の姿、将来像および太陽・惑星・地球システムの複雑な相互関係を理解することをめざしています。そのために、太陽・惑星、惑星間空間、宙空、大気、海洋、地球表層、地球内部を対象として、幅広い視野に立った教育を行っています。きわめて複雑なシステムである地球惑星の起源・進化から、現状・未来にわたる広い時間スケールの現象から問題点を抽出する能力を育成します。その解決に向けた研究の立案・計画、調査・観測・実験・理論・解析にまたがる多彩な手法を学習します。これを通じて、学術的素養とともに多角的・学際的視野の育成を図ります。

噴火直後の桜島。噴火の状況を観察しその噴火機構を研究する。また、噴出物についても鏡下観察し化学分析して物質科学的に解析することもある
噴火直後の桜島。噴火の状況を観察しその噴火機構を研究する。また、噴出物についても鏡下観察し化学分析して物質科学的に解析することもある。

教育プログラム

修士課程

冬季北陸降雪雲のビデオゾンデ観測の様子
冬季北陸降雪雲のビデオゾンデ観測の様子

 上記の教育理念に基づいて次のような教育を行なっています。地球惑星科学の専門的な研究の推進に不可欠な基盤的能力の確立を目的とした分野横断型の演習を行います。各指導教員の指導のもとに、セミナーを行い、各自の研究テーマに関する文献調査・購読を進め、問題点の把握や自己の研究の相対化を行うとともに、発表・討論能力の向上をめざします。社会のニーズや当該分野における研究の進展に対応した内容を随時取り入れた、地球惑星科学の幅広い領域の講義を開講し、広範な視野と専門的知識の獲得を図ります。修士論文研究では、課題を自ら探求・発見し、多方面からアプローチして自主的・自立的に研究をすすめる過程を通して、先端的研究分野および社会全般の中で生じるさまざまな問題解決を図る能力をもった研究者、教育者および高度専門職業人の育成をします。そのための理学府共通プログラムとして、博士後期課程に進学を予定し先端研究者を目指す学生向けには、高い学際性、優れた研究マネジメント能力、高度な情報発信能力を持った科学者を育成する"フロントリサーチャー育成プログラム"が、また、就職を予定し社会の中での理学専門家を目指す学生向けには、国際化や科学技術の進展による急激な社会変化に柔軟に対処できる、より社会の要請に密着した高度専門家を育成する"アドバンストサイエンティスト育成プログラム"がそれぞれ用意されています。修士課程1年後期の時点から、個々の特性に応じてこれら二つの育成プログラムのいずれかに所属し、きめ細かな指導を受けることができます。

博士後期課程

コンピュータシミュレーションによる外核内部の金属鉄の運動と磁力線の様子
コンピュータシミュレーションによる外核内部の金属鉄の運動と磁力線の様子

 上記の教育理念に立脚した上で、専門分野の最先端の課題について自立的に学び、新しい問題を発見し、それを解決していくことのできる能力を身に付けることを目標として、研究室の特色や学生の自主性を生かした個別の教育を行います。学生は主に所属研究分野の教員の指導により博士論文作成に向けた研究を進めますが、他分野や他大学などとの共同研究を通じての指導が行われることもしばしばあります。博士後期課程においては博士論文作成に向けた研究指導を主に行うため、科目履修は義務付けていません。

求める学生像(求める能力、適性等)

 本専攻では、上記の教育理念・目的に沿って、次のような入学者を求めます。

  1. 地球惑星科学の研究を進める上で必要な基礎学力を十分に習得している人
  2. 地球と太陽系の起源・進化、現状、未来および惑星・地球システムにおける自然現象の相互関係を理解しようとする探求心をもっている人
  3. 地球惑星の起源・進化から、現状・未来にわたる問題を自立的に研究して独創的・先進的成果を導き、新たな研究分野を開拓・創出しようとする意欲をもって研究者をめざしている人
  4. 次代を担う若者の教育・啓発ができる教育者および現代の高度科学技術社会の基盤を地球惑星科学の立場から担うことができる高度専門職業人として社会に貢献したいと考えている人
  5. 研究者、教育者、高度専門職業人として、地球惑星科学における幅広くかつ高度な専門性を活かして国際的な場で活躍したいと考えている人

学生選抜の基本方針(入学要件、選抜方式、選抜基準等)

修士課程

  1. 入学要件
    各年度の募集要項に記載のとおり
  2. 選抜方式
    各年度の 7~8 月に第 1 次募集(自己推薦および一般選抜)、2月に第 2 次募集を行います。いずれも、上記のアドミッションポリシーをふまえて、以下の考査を行います。
    第1次募集は自己推薦方式および一般選抜方式があります。自己推薦では学内外の多くの学部・学科から優秀な資質を持つ多様な学生を受け入れることを目的として、従来の専門科目の学力検査によらず、面接試験および英語による考査を行い、希望研究分野における勉学と研究の適性の有無を基準に合否を判定します。自己推薦による選抜の結果、不合格の場合も別途手続きすることなく、一般選抜を受験できます。一般選抜では学力検査(専門科目および英語)および口頭試問を課します。専門科目の学力検査では、地球惑星科学の 8 専門科目から 2 科目を選択することを求めています(志望分野によっては、1 科目が選択必修)。また、修士課程での研究に不可欠な、学部レベルでの基礎学力を考査する目的で、各専門科目の出題範囲をきわめて基礎的な知識・必修的なものとし、それらを募集要項および地球惑星科学専攻ホームページ上で公開しています。
    第 2 次募集では、英語、卒業研究又はこれに相当するものに関する基礎事項、及び修士課程の研究を行う上で必要な科目の基礎事項について口頭試問で考査します。ただし、筆記試験を課す場合があります。
  3. 選抜基準
    • 第 1 次募集(自己推薦方式)
      面接試験(基礎事項考査を含む)および英語(TOEIC または TOEFL)の結果から、修士課程における地球惑星科学の研究を進めるに十分な基礎学力および英語力を修得しているかどうかを判定します。
    • 第1次募集(一般選抜方式)
      専門科目(2 科目 200 点)、英語(TOEIC または TOEFL、100点)および口頭試問の結果から、修士課程における地球惑星科学の研究を進めるに十分な基礎学力および英語力を修得しているかどうかを判定します。
    • 第2次募集
      英語(TOEIC または TOEFL)、卒業研究又はこれに相当するものに関する基礎事項、及び修士課程の研究を行う上で必要な科目の基礎事項に関する考査の結果から、修士課程における研究を進めるに十分な基礎力・英語力を修得しているかどうかを判定します。

博士課程

宇宙空間等を模した環境での有機物の生成や隕石有機物中の微量有機物を分析するために,クリーンルーム中で超高分解能質量分析計で分析をしています。
宇宙空間等を模した環境での有機物の生成や隕石有機物中の微量有機物を分析するために、クリーンルーム中で超高分解能質量分析計で分析をしています。

 それぞれの専門分野で幅広く深い学識を持ち、研究能力またはこれに加えて高度な専門的職業を担うための卓抜した能力を持った人材、科学技術社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材の育成を目指し、その目的に適合する学生の選抜を行います。選抜は、修士論文発表およびその内容と関連事項についての質疑応答について総合的に評価します。

その他

受験生が主体的に進路選択をする上で必要な情報を地球惑星科学教室ホームページ
http://www.geo.kyushu-u.ac.jp
で広く紹介していますので、受験生は進路選択に役立ててください。