大学院理学府 物理学専攻 修士課程 2 年の井出 健一郎さんが第 74 回コロイドおよび界面化学討論会で「ポスター賞」を受賞しました。この賞は、コロイドおよびに界面化学に関する研究発表において、優れたポスター発表を行った大学生 (学部生、大学院生)、大学や研究所、企業等の研究員、助教などに贈られる賞です。
井出 健一郎 (大学院理学府 物理学専攻 修士課程 2 年)
電場駆動アクティブ粒子分散系の粘性測定
微粒子分散系の示す粘性は応用上の重要性から広く研究され、電場を印加した際に粒子が直鎖状の構造体を自発的に形成する場合には、電場により溶液の粘度を自由に増加できるために、アクティブダンパーとして利用されている。本研究では、電場を加えることで自発運動するアクティブ粒子を用いてその粘性の電場依存性を測定した。その結果、低電場では粒子がクラスタを形成することで電場とともに粘性が増加し、ある閾値電場を超えると対流構造が生じ、粘度がほぼゼロにまで低下することを見出した。電場駆動アクティブ粒子分散系は電場により任意の粘度を実現可能な点で独自性と応用性を有している。