大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程 3 年の齊藤 圭太さんが第 74 回コロイドおよび界面化学討論会で「若手口頭講演賞」を受賞しました。この賞は、35 歳以下の大学院生および大学や研究所、企業等の研究員、助教などの若手研究者による口頭発表のうち、特に優れた発表を行った発表者に授与されます。
齊藤 圭太 (大学院理学府 物理学専攻 博士後期課程 3 年)
複雑流体中における電場駆動ヤヌス粒子の自走運動
バクテリアやミドリムシなどのマイクロメートルスケールの泳動体のことをマイクロスイマーといい、我々の身の回りに多く存在しています。これらマイクロスイマーの多くは高分子溶液などの複雑流体中に存在しているため、それらの運動を理解するという観点から、複雑流体がマイクロスイマーの運動に与える影響を理解することが重要だと考えられます。本研究では、ヤヌス粒子という交流電場により運動制御が可能なコロイド粒子を用いて、高分子溶液がマイクロスイマーの運動に与える影響について調べました。その結果、粒子の移動速度と高分子ネットワークの持続時間 (緩和時間) が重要であると分かりました。本研究で得られた知見は、高分子溶液中に存在するマイクロスイマーの運動を解明する手がかりになると期待されます。