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田辺 暖柊さんが2024年度日本火山学会学生優秀論文賞を受賞しました。

  • 2024年6月24日(月)

 大学院理学府地球惑星科学専攻修士課程2年の田辺 暖柊さん(研究当時、現在:気象庁)が2024年度日本火山学会学生優秀論文賞を受賞しました。この賞は火山学に関する独創的で特に優れた論文を投稿時点において学生として筆頭執筆した日本火山学会会員に授与されます。

受賞者

田辺 暖柊 (研究当時:大学院理学府地球惑星科学専攻 修士課程2年、現在:気象庁)

受賞論文

Harutou Tanabe, Takeshi Matsushima, Koki Aizawa and Dan Muramatsu, “Multi-parametric observations of intermittent hydrothermal water discharge in West Crater of Iwo-Yama volcano, Kirishima Volcanic Complex, Japan.”Earth Planets Space, 2023, 75, 75
DOI: 10.1186/s40623-023-01830-7

研究テーマ

Multi-parametric observations of intermittent hydrothermal water discharge in West Crater of Iwo-Yama volcano, Kirishima Volcanic Complex, Japan.

研究概要

 著者らは、2021年に霧島火山硫黄山西火口で一時的に生じた間欠泉の噴出口周辺で温度、映像、地電位、地震、空振、傾斜の多項目観測を実施した。本論文では、この観測結果に基づき、地下に存在する熱水だまりとそれと地表を結ぶ管からなるシステム(conduit-reservoir system)に、冷たい地下水が流入してシステム内の沸騰が弱まり噴気が停止すること、その後、地下水流入量が減少すると熱水噴出が生じるという間欠泉メカニズムを提案した。間欠泉と類似する水蒸気噴火の発生プロセスを理解するうえでも、こうした多項目観測の実施と解析は今後の標準的な火山観測手法となる可能性があり本論文の火山学的貢献は重要である。また、観測プランの設定から観測点保守、データ回収、解析、論文執筆までを学生である筆頭著者が主体的に取り組んだ。

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