火道域 束状の「火道域」を発見
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 最終的に山体内部を約2km掘削し、溶岩ドーム直下約1,500mのコア(岩石の円柱)を掘り出しました。このコアは1990-95年噴火で出た溶岩と化学組成がほぼ一致しており、高温で変質が少なく新鮮であったことから、火道そのものに到達した可能性が高いとみられます。
 今回の科学掘削では、溶岩ドームの下には、1990-95年噴火のものと見られる火道と共に、過去の噴火で使われた多数の火道が束状になった「火道域」が存在することが明らかになりました。また、普賢岳周辺に潤沢に存在する地下水で冷やされたために、火道の温度は予想されたほど高くないこと(約200℃)がわかりました。
  掘り出されたコア
   雲仙火山のここ数万年間の溶岩の中では、平成新山の溶岩に最も似ていることが、化学分析で明らかになりました。
  掘り出されたコア
  火道域に頻繁に出現する火砕岩脈
   マグマの圧力でできた割れ目に火山ガスとマグマ片が充填したものです。
  火砕岩脈
  本プロジェクトで明らかになった雲仙火山の内部
   火道域は強い熱水変質を受けた角礫岩からなり、新旧火道が束になっていると思われます。
  雲仙火山内部
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