赤外
熱映像
4-8: 赤外熱映像測定
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ある温度の物体は,
その絶対温度(−273度Cから
測った温度)の4乗に比例した
エネルギーを持つ
赤外線を放出しています.
この性質を利用すると,
ある地域から放出されている
赤外線の強さを
細かく測定することにより,
地表面の温度分布を
知ることができます.
広い面積を短時間で
調査するためには,
通常航空機から赤外線の
強さを測定します.
このようにして求められた
地表面温度分布
を
空中赤外線映像
と
いいます.
火山の表面温度は
火山活動と密接に
結びついています.したがって,
赤外線映像測定
は,
火山活動の現況を
把握することに役立ち,
さらに表面活動に表れていない
新たな温度異常の
領域を見つけることで,
噴火の予知
に
つながる可能性もあります.
島原地震火山観測所では
雲仙普賢岳の噴火中,
陸上自衛隊の協力を得て
ヘリコプターによる
空中赤外熱映像測定を
繰り返し実施しました.
● 成長する溶岩ドームの
温度分布
(第6溶岩ローブ)
ドーム先端から斜面の
高温域は溶岩の
崩落によるもの.
ドーム頂部では,
新たな溶岩の涌き出しによる
高温域が見える.
● 第10溶岩ローブの出現
3つの高温領域は,
花びら状溶岩塊の
一つ一つに対応している.
(北側から撮影)
● 火砕流の発生
火砕流の内部温度は
500度以上と
推定される.
赤外線熱画像装置
物体から輻射される
赤外線をとらえることにより
観測対象物の温度を
非接触で測定する装置.
温度分布像を
モニタテレビに
カラー表示できます.
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