|
桜島火山 の場合を
例にとって説明しましょう.
火山の下部の構造は,上下2つの
マグマ溜り と,その間に
位置するプラグ(栓,詰め物)
から構成されています(下図参照).
上位マグマ溜り は地殻の中,
下位マグマ溜り は
地殻とマントルの境界面あたりに
あります.
プラグ は上位マグマ溜りで
マグマの結晶作用が進み,重い結晶が
上位マグマ溜りの底に
沈殿してできたものです.
残ったマグマは割合軽い
デイサイトマグマ
となります.
マントルの上昇により,
下位マグマ溜りに深部から
玄武岩マグマ が
供給されると(図1),
プラグは重いため
下位マグマ溜りに沈み始めます(図2).
その時生じた隙間を通って
下位マグマ溜りの玄武岩マグマが
上位マグマ溜りへ移動し,
既存のマグマと混合して安山岩マグマ
となります.この動きは
プラグが下位マグマ溜りの
底に着くまで続き,
その間,火山は 大噴火 を
数回繰り返し,上位マグマ溜りの
溶岩を噴出します.
従って,この時噴出される
溶岩は,デイサイト溶岩か又は
安山岩溶岩です.
プラグが底に着くと,プラグの下部は
マントルの流れによって,
削られ,運び去られます.
一方,上位マグマ溜りでは
マグマの結晶作用が進み,
重い結晶がプラグに沈着します.
そして再び
下位マグマ溜りに深部から
玄武岩マグマ が供給されて,
上のプロセスが繰り返されます.
桜島火山 の場合,
下の(図2)の状態が約600年間
継続しているようです.
|