
第5部目次

前ページ

次ページ
|
人間の体の中を
CT(コンピュータ・
トモグラフィー)
で調べるように,
地球の中も地震波を使って
調査することが
できます.
この方法を
「地震トモグラフィー」
と呼んでいます.
図1 は九州とその周辺の
深さ70km付近の P波(縦波)
の速度分布です.
これによると,雲仙や九州の西方
と南方 に速度の
遅い部分(赤色)
があり,九州東海岸に沿って
帯状の速い部分
(青や紫色)
があります.
図2 の雲仙を通る
B−B’ の
速度断面図(図3) によると,
雲仙周辺の深さ0〜20kmの
地殻部分 と,
深さ70〜120kmの
上部マントル に
速度が遅い部分があり,
そこが高温 である
可能性があります.
一方,九州の東側
(図3の右側)の
速い部分は,冷たい
フィリピン海プレート
の沈み込みを表しています.
その上の赤い部分は
速度の遅い柔らかい層の
存在を示していると
思われます.
|